和紙の「いま」と「これから」―原料の輸入

原料不足

日本人の暮らし、住まいのかたちが変わるにつれて、だんだんと和紙は使われなくなってきました。
それにつれて和紙の原料の楮、三椏を生産する農家も減って行きます。

和紙の輸入

1970年代になると、原料の不足、価格の高騰に悩む製紙所、和紙の漉き手は海外から輸入することをはじめました。

現在「和紙」に使われている原料

タイ、中国、パラグアイ
サラゴフィリピン
三椏中国、ネパール
マニラ麻フィリピン、エクアドル
針葉樹パルプ(洋紙の原料)北米、南米、北欧

いま「和紙」の原料は、海外から輸入されたものが多くなっています。
品質は、もちろん国産の物と比べれば落ちるのですが、価格が安いことと供給が安定しているので「機械抄きの和紙メーカー」のほとんどがタイ産の楮を使っているようです。

各国の原料をブレンドした「和紙」

現在の「和紙」は国産の原料だけではなく、輸入原料や洋紙の原料である木材パルプを配合、ブレンドし、機械で抄かれているものがほとんどです。

和紙の原料

国産の楮、三椏、雁皮を使い、人の手で漉いたものが本来の和紙と言えるものです。
しかし、それでは価格が相当に高くなってしまうし、純粋な和紙は毛筆には適していますが印刷にはあまり向きません。

輸入原料を混ぜたものも、木材パルプを使い工場で和紙風に抄かれた紙も、すべて大きな括りで「和紙」としてお客様に受け入れられているのがいまの和紙の姿です。

私は、それが良くないとは思いませんが、国産の楮を使い、漉き手が一枚いちまい漉いた本来の和紙を皆様にご紹介したいと思います。

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