紙は森からやって来た……

forest

あなたの手元にある紙は、
海の向こうの国の深い森に
高くそびえ立っていた大樹……、
それともひっそりと息づいていた
小さな木だったのかも知れません……。

紙の原料

私たちが普段使っている紙、もとは森や林に生えていた樹木がカタチ変えたものです。世界中から輸入された木々の繊維が紙となります。

私たちが、いま、ふだんの生活の中で使っている紙、それは明治時代に西洋から取り入れた技術をもとにつくられた「洋紙」と言われるものです。「洋紙」がつくられるようになってから、昔からずっと日本でかれていた紙を「和紙」と呼ぶようになりました。

paper products

紙の主な原料は木材です。広葉樹ではミズナラ、アカシア、針葉樹ではマツ、スギ、ヒノキが主に使われるそうです。木材の中から長さ1ミリから数ミリ程度の細い繊維が取り出され、紙の材料となるパルプになります。

paper factory

大きな製紙工場では、木材をそのまま機械ですりおろしたり、小さなチップにしてから薬品で煮たりなどして繊維が取り出されます。進んだ最新の技術で不要な部分、ゴミは取り除かれ、しかも漂白されて真っ白!とても美しく清潔なパルプとなります。

もちろん、古紙も使われています。

newspaper

新聞は溶かされてから、インクやゴミなどがきれいに取り除かれます。

cardboard

ダンボールも再生されたものが多いですね。

現在、製紙原料の6割ほどが、新聞、雑誌などの古紙だそうです。日本は、古紙の利用率が高いリサイクル先進国だそうですが、それは「和紙」の時代からずっと行われてきたことです。
昔は、紙は貴重で大切なものだったので使い捨てなどできませんでした。


紙をつくる

紙は植物の繊維を細かくして、薄く均一に広げ伸ばしたものです。それは西洋でも東洋でも大きくは違いません。

紙のつくり方を簡単に説明すると……

木の繊維を細かくほぐし、水の中に浮かべます。沈んで金網や竹のの上にたまった繊維を乾かせば紙になります。

tesuki

もともと日本では、このように簾すを使って手作業で紙を簾すくことが普通でした

su

これが、和紙を漉く簾すです。和紙を見ると簾の跡がついているのがわかります。


paper factory in japan

しかし、明治時代になるとヨーロッパから取り入れた技術と機械で製紙工場が建設され、国産の「洋紙」が抄かれるようになりました。

そして、だんだんと「洋紙」の生産量が増え、いつしか「和紙」を上回るようになりました。

paper factory

最新鋭の機械では、なんと!時速100Kmを超えるスピードで抄き上げられるそうです。

paper factory

私たちが紙を安くたくさん使うことができるのは、大規模な工場の進んだ生産技術のおかげですね。

私たちが日常の生活で使っているほとんど、全てと言ってもよい紙は、もともとヨーロッパからの技術を取り入れてつくられた「洋紙」と言われるものです。現在では障子や襖のある家庭も少なくなり、提灯や番傘も使うこともありません。「和紙」が生活の中から消えつつあるいま、私はその「良さ」を見直していただきたい、皆様にご紹介したいと思っています。

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