中国地方の和紙の里

鳥取県

因州和紙(いんしゅうわし)

鳥取県東部の旧国名、因幡の国で漉かれる紙。現在、鳥取市佐治町と鳥取市青谷町の2ヶ所で受け継がれています。
書道や書画・水墨画に用いられる画仙紙(因州画仙紙)6、7割を生産しているそうです。
その書き心地は素晴らしく、他の和紙で一枚書くうちに二枚書け、墨の減りも少ないことから「因州筆切れず」と言われ、たくさんの書道家に愛用されています。
鳥取市あおや和紙工房にて因州和紙の歴史を学び、紙漉きの体験を楽しむことができます。

鳥取市あおや和紙工房

  • 鳥取県鳥取市青谷町山根313
  • 0857-86-6060

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島根県

石州和紙(せきしゅうわし)

島根県浜田市三隅町古市場地区で漉かれる紙。本美濃紙、細川紙とともにユネスコ無形文化遺産となり、重要無形文化財の指定を受けた石州和紙。
明治時代には6,000軒を超す紙漉き場があったそうですが、年々少なくなり、現在では4軒となりました。
石州和紙会館では、紙漉き体験の他、石州半紙技術者会と石州和紙協同組合の和紙を見ることができます。

石州和紙会館

  • 島根県浜田市三隅町古市場589
  • 0855-32-4170
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出雲民芸紙(いずもみんげいし)

島根県松江市八雲町の別所地区で漉かれる紙。出雲の紙漉きの歴史は古く天平時代にさかのぼり、江戸時代に発展します。
八雲町で漉かれる和紙を出雲民藝紙と呼ぶようになったのは昭和6年の頃です。当時「民芸運動」の創始者であった柳宗悦氏に、後に人間国宝となった安部榮四郎氏が出会ったことから始まります。
安部榮四郎記念館にて紙漉き体験、貴重な資料の見学ができます。

安部榮四郎記念館

  • 島根県松江市八雲町東岩坂1754
  • 0852-54-1745
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広瀬和紙(ひろせわし)

島根県能義郡広瀬町で漉かれる和紙。寛文8年(1668年)、広瀬藩が藩札を発行するために紙を漉き始めたと言われています。
明治30年頃に最盛期を迎え、特に出雲の藁半紙は書道用紙として全国的に知られ名声を博したそうです。しかし、大正時代にはだんだんと衰退していきました。
そのような状況の中、広瀬町下山佐で代々紙業を営む長島勲氏が、昭和36年より出雲民芸紙の創作者、島根県八雲村の重要無形文化財に指定された安部榮四郎氏に指導を受け、昭和48年5月より広瀬和紙の製作を始めました。

広瀬和紙製作所

  • 〒692-0412 島根県安来市広瀬町下山佐2652
  • 0854-32-3863

斐伊川和紙(ひいかわわし)

島根県飯石郡三刀屋みとや町上熊谷地域で漉かれる紙。斐伊川沿いの地域は、古くから紙漉きの里として知られており、江戸時代は出雲地方最大の紙の生産地でした。最盛期には400軒が紙を漉いていたそうですが、いまは斐伊川和紙ひいかわわし、一軒のみとなりました。
7代目、井谷伸次さんがこうぞ三椏みつまた雁皮がんぴをブレンドした珍しい和紙を作っています。

斐伊川和紙

  • 島根県雲南市三刀屋町上熊谷302
  • 0854-45-3886

スサノオ和紙

島根県出雲市佐田町で漉かれる和紙。明治から大正にかけて、佐田町内ではいくつかの製紙業者があったという記録が残っているそうです。

斐伊川和紙七代目、井谷伸次氏に師事した荒木宏文さんが、佐田町に新しい和紙の歴史を創り上げています。

古民家を利用した民泊施設、一緑荘には、宿泊者のみを対象にした紙すき体験メニューがあります。

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勝地半紙(かちじばんし)

島根県江津市桜江町で漉かれる和紙。紙漉きの歴史は室町時代にさかのぼり、江戸時代には津和野藩の特産物として盛んに生産されていました。

現在は温泉リゾート 風の国 グランピング島根にて紙漉き体験が、石州勝地半紙にてオリジナル和紙製品の購入ができます。

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■温泉リゾート 風の国 グランピング島根 紙漉き体験
石州勝地半紙

岡山県

備中和紙(びっちゅうわし)

岡山県倉敷市で漉かれている紙。岡山県指定郷土伝統的工芸品。
かつて岡山県成羽川沿いにあった小さな集落、清川内せいごうち、その周辺で漉かれた紙は清川内紙せいごうちがみと呼ばれていました。
昭和 39年の新成羽川ダム建設で清川内せいごうちの集落は水の底に沈むことになりますが、丹下哲夫たんげてつおさんが下流の倉敷市に移り住み、そこで備中和紙が誕生します。
現在、お孫さんの丹下直樹たんげなおきさんが二代目として継承されています。

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樫西和紙(かしにしわし)

岡山県真庭市樫西地区で漉かれている紙。良質な三椏みつまたを使った紙は、大蔵省印刷局へ納められ一万円札の原料となっていたそうです。
樫西和紙工房手すき体験【要予約】ができます。

樫西和紙工房

  • 岡山県真庭市樫西1689
  • 0867-42-4874

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横野和紙(よこのわし)・津山箔合紙(つやまはくあいし)

横野和紙、津山箔合紙岡山県津山市横野地区で漉かれています。
岡山県の北、美作みまさか地方は三椏みつまたの一大産地、ここからお札の原料が財務省印刷局に納められています(局納ミツマタ)。

箔合紙はくあいしは、この地方の三椏みつまたを原料とした高級紙です。光沢があり表面がなめらかで、金箔や銀箔を挟む紙として、京都や金沢の金箔工芸家にとって欠かせないものとなっているそうです。

そして、一般の人々が日々の暮らしの中で使えるようにと漉かれた紙が横野和紙だそうです。
上田手漉和紙工場では紙漉き体験【要予約】ができます。

上田手漉和紙工場

  • 岡山県津山市上横野1874
  • 0868-27-0960

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■津山市公式観光サイト「津山小旅こたび
上田手漉和紙工場

神代和紙(こうじろわし)

岡山県新見市神郷しんごう下神代しもこうじろ地区で漉かれる和紙。こうぞ三椏みつまたが豊富にあるこの土地は、平安時代から紙漉きが盛んで奥備中神代和紙として名を馳せていました。

現在では、岡山奥備中 神代和紙保存会の皆さんが復興と技術の伝承のために活動されています。
親子孫水車が並ぶ夢すき公園 紙の館では、歴史を学びながら、紙すき体験ができます。

夢すき公園 紙の館

  • 岡山県新見市神郷下神代1977-1 夢すき公園内
  • 0867-92-6577
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高尾和紙(たかおわし)

岡山県新見市高尾で漉かれていた和紙。残念ながら現在はつくられていないようです。

あわくら和紙(準備中)

広島県

大竹和紙

広島県大竹市で漉かれる紙。広島県と山口県の県境を流れる小瀬川の流域で江戸時代初期に紙作りが始まったといわれています。最盛期は大正時代半ばで、大竹市内に1,000軒を超す紙漉き家があったそうですが、現在ではおおたけ手すき和紙保存会の方々が手漉き大竹和紙の伝統を引き継いでいます。
大竹手漉き和紙の里にて紙すき体験ができます。

大竹手すき和紙の里

  • 広島県大竹市防鹿3365
  • 0827-93-3576

山口県

徳地和紙(とくぢわし)

山口県山口市徳地地区で漉かれる紙。鎌倉時代から約800年受け継がれている徳地和紙は山口市の無形文化財でもあります。江戸時代、毛利藩は米・塩・紙の生産を盛んにして(三白政策さんぱくせいさく)財政を立て直そうとしました。
毛利藩の農民は年貢の代わりに紙を漉き、藩はそれを大坂で売り大きな収入を得たという、請紙制うけがみせいにより生産がピークになりました。
現在は、山口とくぢ和紙振興会結の香の皆さんが手漉き和紙製造、加工販売、ワークショップ、学校での体験授業などの活動をされています。
また、千々松和紙工房手漉き和紙体験【要予約】もできます。

千々松和紙工房

  • 山口県山口市徳地島地613-1
  • 0835-54-0328

山代和紙(やましろわし)

 山口県周南市鹿野地区で漉かれる紙。かつて山口県の錦川上流の地域山代と呼ばれていたそうです。 そこで16世紀後半に和紙が生産されるようになりました。
徳地和紙と同じように、江戸時代、毛利藩が米・塩・紙を生産し(三白政策さんぱくせいさく)財政を立て直そうとしていた折に、山代では紙を漉いて納めていました。
盛んだった和紙づくりも明治の頃からしだいに下火となり、終戦後に一度は途絶えてしまいます。
しかし、昭和54年鹿野高齢者生産活動センターの方々が和紙づくりを復活させました。
センターでは和紙すきの他、ちぎり絵、ぞうり、竹ボーキ、こんにゃく作りなどを体験できます。

周南市 鹿野高齢者生産活動センター

  • 山口県周南市大字鹿野中734−4
  • 0834-68-3640

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